飲んでも大丈夫なアルコールはエタノール
20歳から法律上解禁されるものにお酒があります。
ジェネレーションギャップになるかもしれませんが、今の中3(来年度から高1)に該当する方から18歳で成人という法律になっていますが、成人では飲むことができず、20歳からとなっています。
社会人の方はこの知識をバージョンアップしておいてください。
話が反れましたが、ウィルス対策に「アルコール消毒」という言葉が広く染みわたっていますが、口に入れることは想定していない言葉です。
また、最近ではこのような国際ニュースがありました。
記事の内容では『イスラム教は禁酒の教えがあるから、こっそり飲んで中毒死している人がいる。』というようになっていますが、注目したいのはメタノールを飲んでいるということです。
今回はお酒に関する正しい知識をこのニュースを題材にバージョンアップしていただけたらと思います。
科学的な視点で見れば、メタノールもエタノールもアルコールに分類されますが、物質が別物であれば話が変わってきます。
まずは、中学校の理科や保健体育で習った内容を思い出してみましょう。
理科の内容では、肝臓という臓器には3つの役割があることを学びました。
1つ目に消化酵素を含まない消化液の「胆汁」を作ること。
2つ目に栄養分を「グリコーゲン」として蓄えること。
(ちなみに駄菓子のグリコの名前はこれに由来。)
そしてこの話で重要なのが、アンモニアを無害な尿素に変える。いわゆる解毒作用です。
理科の内容的に次に腎臓の話に持っていきたいので、尿素をピックアップしていますが、解毒作用だなんて誤解を招くネーミングです。
次に保健体育では、口に含んだお酒は消化吸収された後、肝臓でエタノールからアセトアルデヒドに変換される。という流れで習っています。
要は、肝臓が頑張って、エタノールをアセトアルデヒドに変換して無害化しているということになります。
義務教育の段階だと実は話には語られていない部分がありまして、
それは、アセトアルデヒドもまた肝臓により酢酸(お酢の成分)という物質に変わります。作られた酢酸が分解され、水と二酸化炭素に分解されて完全に無害化という流れです。
以上をまとめると、次の図になります。
前置きが長くなりましたが、メタノールを摂取すると何がいけないのかを述べます。
まず、エタノールとメタノールは何が違うか間違い探ししてみましょう。
そうです、エタノールと比べて、メタノールはCとHの数が少ないです。
そのおかげで製造コストも少ないのでお得です。
うわ!私の飲んでるアルコール高すぎ!と思った人は知らぬが仏&ゴッドです。
(よく広告で見かける画像。編集してます。)
ニュースになるほどなのですから、メタノールのどこがまずいのか、エタノールの流れで見ていきましょう。
メタノールも口に入れ、消化管を通ると肝臓の働きによってメタノールからホルムアルデヒドに変わりそこで更に蟻酸(ギサン)に変わります。
ホルムアルデヒドの時点でやばいものに変わり、さらに蟻酸ってのもやばい、もうやばい、役満に振り込んでやられてしまいます。(麻雀のルールは知らない)
蟻酸のこと「ありさん」って呼んで、アリサンマークの会社っぽくてなんかかわいいと変に思ったら大間違いで水(血液)に溶けたら全身激痛で棺桶で眠ってしまうでしょう。
その前にホルムアルデヒドの時点で相当やばいです。
そんなやばいものを口にしたいならどうぞ…というのを知っていればいいのですが、ニュースになるほどですし、俺は大丈夫だからとかお酒強いしへーきへーきって人も命大事にしてください。
知識は自分を守るためにあります。長い記事になりましたが、ひとまずお疲れ様です。
では、また。