【科学雑記】 人の体内なのに羊
哺乳類である人は女性の胎内で様々な過程を経て誕生します。
子宮の中で徐々に成長していく中で、胎児を守るために『羊水』という液体が満たされていきます。
ところで、なぜ人の体内であるのに対して『羊』という言葉を用いているのでしょうか?
諸説ありますがその一部を紹介します!
羊水・羊膜の名前になぜ「羊」の字が使われるのでしょうか?羊膜を意味するamnionの語源はギリシャ語のamnos(=羊)であり、生まれたばかりの膜に包まれている羊(amnos)から羊膜もamnion(amnios)と呼んだという説と、生贄の羊の血を受けるお皿(amnios)から来ているという説があるようです。
院内広報誌:周産期ニュース:第36号
なるほど、羊が哺乳類と分類されていない時代だと考えると、人がなぜだか羊と同じ器官があると感じてもおかしくないわけですね。羊が身近にいたことも何となく感じられます。
哺乳類は、カモノハシなどの例外を除くと胎生といって、メス親が体内で卵を孵化させ、子は親から栄養を供給されて成長した後に体外に出るよな繁殖形態をとります。
そのため、誕生のためには必ず羊膜と羊水という要素が必要になってきますので、椅子取りゲームではないですが、語源の取得は羊が得たという形でしょうか。
ちなみに羊水には様々な働きがありますので、見ていきましょう!
①クッションの役割をする
主な働きは胎児を衝撃から守るクッションの役割をしていることです。
②胎児の保湿、抗菌
なんやかんやで水なので保湿効果はもちろんあります。更に、細菌を防ぐ成分も含まれているためかなり安全な状態でもあるわけです。
③運動する空間の提供
羊水が子宮に追加されることで子宮内の体積が大きくなります。そのために運動できる空間ができるというわけです。
勘違いしてはいけないのが羊水内は呼吸ができないから危険と思わないでください。
胎児の心臓は活動していますが、肺は出産時に産声を上げて活動するため子宮内ではそもそも呼吸をしていません。
今回は人なのに羊の謎についてでした!
いつもご愛読ありがとうございます!
それでは!